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学会・研修・勉強会体験レポート

第9回 日本薬局学会学術総会①

開催日:2015年9月26日〜27日 会場:パシフィコ横浜

薬事グループ 医療安全推進室 室長

店舗管理運営グループ

[薬剤師] 松木 友治

 去る9月26日と27日の2日間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて、一般社団法人日本薬局学会及び一般社団法人日本保険薬局協会主催による「第9回日本薬局学会学術総会」が『薬局機能を高める みらいへの展望〜問われる私たちの進化と真価〜』をメインテーマに開催されました。この学会では、第2回開催より発表を続けてきましたので、今年で8回目の発表です。今年の発表は2演題のポスター発表となりました。

学会・研修・勉強会体験レポート写真
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 1つは、松木、櫛田憲人薬剤師、三浦容典薬剤師の共同研究『6年制薬学教育と実際の医療現場とのギャップについて(その2)〜6年制教育課程へのアンケート結果から〜』です。(櫛田憲人薬剤師の体験レポートを掲載しています。)
 もう一つは、『昨年発表した『身体・体力の動向調査結果から学校薬剤師が行えるアプローチ~東日本大震災前後における動向調査結果解析から見えてきたもの~』に続く第2弾、『携帯型情報端末機器普及に伴う生活環境変化による体力低下等の問題~学校薬剤師として行えるアプローチについて考えてみる~』というもので、薬剤師会の重要な仕事の一つでもある"学校薬剤師"として、担当学校で行われている「身体・運動能力に関する調査」の結果解析と、「携帯端末等の利用に関するアンケート調査」を児童・生徒に実施し、"睡眠や学習効果への影響""運動能力や成長への影響""視力低下の状況"等について、その両結果を総合的に分析し、学校保健委員会等を通して「生活習慣の是正」などのアプローチを行っていくといった内容です。
 私の発表は2日目でしたので、特別講演,シンポジウム,教育セミナー,ワークショップ・・・と聴講しながら待ちました。その中でも「医療先進国の薬局や薬剤師の現状」や「今後の薬剤師が進むべき方向性」等の講演は良い刺激となりました。また「企業共催の学術講演」なども非常に参考になりました。
 発表時間が近づくと、ポスター掲示エリアには段々と人が集まってきました。そして1時間、ポスターの前に立って質問や意見を待ちます。会場の反響としては、"一般社団法人日本薬局学会及び一般社団法人日本保険薬局協会"の主催する学会であるという特性上、企業や大学からの発表が中心となりますので、「学校薬剤師の活動報告」といった発表が殆どない上に、大学を除く学校教育関係者等の参加が少ないことも影響し、ディスカッションが少なく、静かな発表になってしまったのが少し残念でした。また、発表演題のくくりが『薬剤師職能』といった漠然としたものの中に入ってしまっていたため、参加者の興味を引きにくかったことも大きな要因だったと思われます。
 この「学校薬剤師」という活動は、"未来の大人へのアプローチ"ですから、今後重要な職務となっていくものと思われます。ですから、今回の発表を機に、「薬剤師はまだまだやることがたくさんある」ということを再確認できたともいえるでしょう。
 今後も、学会への発表は積極的に続けていきます。また11月には、日本薬剤師会学術大会の発表も控えています。ここでは、学校教育の関係者や薬剤師個人での参加の方が多くなりますし、『学校薬剤師』というくくりとなっていますので、活発な議論を期待しています。

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